2018年09月27日

漂わない音楽

10代後半のころ、それまでせっせと溜めてきたバイトのお金をすべてつぎ込んで Technics を買った。
すべてつぎ込んで足りたのか足りなかったのか、足りない分は誰かに援助してもらったのかは
もう忘れてしまったけれど、かなり高額なコンポーネントシステムが僕の元に届いた。
当時、家電メーカーのほとんどは自社ブランドネームとは別にオーディオ専門のネームを持ち
Technics は松下電器のソレだった。

最初に惹かれたのはダイレクトドライブがウリのコンポーネントではなく、セットシステムの方で
マルチセルラホーンと称した大きな拡声器のようなモノを備えたスピーカーシステムは
当時としてはかなりイケてるルックスの持ち主だった。
あんな凄いものが大阪の門真市からでてくるとは・・・。
確かイメージポスターはカラヤンだったと記憶している。
以来、すっかり Technics fan になってしまった。

あれから数十年。
住宅建築を始めると、特に都市部での住宅に大袈裟なコンポーネントを置くスペースなど
どこにもなく、さりとて暮らしの中にはどうしても音楽は必要と考えた結果
「漂う音楽」と称して無指向性のスピーカーとコンパクトなシステムで
音楽が暮らしの空間に漂うように計画した。
プライヴェートでも音楽を愉しむのはもっぱらWALK MAN で
音楽はこれで十分じゃないかと思うようになっていた。

齢60を超えたころから次第に時間も持てるようになると、やはり漂う音楽では物足りないと思いはじめ
本格的なシステムが欲しくなったけれど、やはり大掛かりなシステムは気が重い。
そんな中、あの青春のTehcnics ブランドが再復活し、魅力的なオーディオシステムを出してきた。
そこはイマドキのシステムで、Wi-FiやBluetoothで手軽に自前のネットワーク上の
ソースにアクセスできる。いいじゃないか(!)

再び Technics を愉しもうと思う。

青春時代、Technics と共に音楽にどっぷりと浸かっていた頃が少しづつ蘇ってくる。
BeatlesもCCRもS&GもDionne Warwick も、もう部屋の中を漂うことはない。

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posted by プロデューサー at 17:32| 暮らし